食品・飲料および農業事業が直面しているリスク環境は、急速に変化しています。財物リスクでは、食品・飲料施設に関連する危険に加え、気候変動に伴う物理的脅威の増大への認識が高まっています。
賠償責任の面では、新たに発生した食品関連の健康リスクやサプライチェーンの問題が、懸念の高まりの要因となっています。
この結果、財物・賠償責任を引き受ける保険会社は、問題があると考えられる一部のリスクについて、補償の制限やレートの引き上げを行っています。企業にとっては、容認できる価格で必要な保険に加入することが難しくなってきているかもしれません。
リスク環境はどう変化しているか?
食品・飲料における財産・賠償責任リスクの特性とクオリティに関する、保険会社の主な懸念事項をいくつかご紹介します。
財物リスク
- 建設リスク:多くの食品施設は構造にパネルを使用しています。パネルは安価で、製品を冷凍したり、冷えた状態に維持したりするのに必要な優れた断熱性があります。その反面、パネルの中には非常に燃えやすいものもあります。
- 建物リスク:高脂肪の揚げ物など、多くの作業に危険が伴います。一見無害な粉末であっても、混合中に爆発する可能性があります。
- 予防策:多くの食品企業は古い施設を拠点としており、物理的リスクの防止システムが最新の基準に対応していない可能性があります。
- エクスポージャー:事業を洪水や山火事といった天候・気候関連のリスクにさらす可能性のある場所に施設が置かれている場合があります。
賠償責任リスク
- 規制:安全規制の変更により、食品・飲料製品のリコールが増加しています。リスクに対する消費者の意識は向上し、請求額の増加につながる自らの権利についての認識が高まっています。
- 食品関連の健康被害:食品サプライチェーンのグローバリゼーションにより、汚染を原因とする食中毒が重症化しています。
- サプライチェーンのトレーサビリティ:サプライチェーンが複雑化し、製品の安全性に対する責任の所在を明確にすることや、すべての材料の完全なトレーサビリティを確保することが難しくなっています。
- 集団訴訟リスク:不正表示などの問題に対する集団訴訟の例が市場で多く見られ、経済的・社会的インフレ圧力の要因となっています。
新たな課題に対して先手を打つには?
データを活用してリスクを区別する:保険会社はあらゆる食品・飲料事業を一括りにしていることが多いが、各サブセクターや業種、事業拠点によってリスクは大きく異なります。
データや情報を駆使してリスクを区別し、定量化することで、有利な補償条件や価格を得ることができます。
リスクコントロール策を最新化する:火災や洪水などの主要リスクを管理する手順を見直しましょう。例えば、損傷したパネルを修理/補修する手順が策定されていることや、すべての可燃物が発火源から十分に離して保管されていることを確認します。
食品安全プロトコルを強化する:第三者機関による貴社の食品安全対策の監査を実施するとともに、サプライヤー監査を実施し、サプライヤーが貴社の要求事項に従っていることを確認します。
このほか、追跡技術を利用して、バッチ/ロット番号によりサプライチェーンのトレーサビリティを監視・保証するといった方法もあります。
評価を更新する:最近の急激なインフレ後、食品・飲料業界の財産評価は請求コストが反映されたものではなくなっています。
これによって保険が不十分な状態となっており、更新時に問題が生じる可能性があります。認定評価会社とともに、現在の評価を確認しましょう。



