- 世界のトップ100のアセット・オーナーの運用資産は前年比で9%増の7兆米ドル
- 「世界で最も影響力のある資本」は集中度が高まっており大きな責任を負っている
- 大手アセット・オーナーは急速に資産拡大しておりトップ20が14.1兆米ドルを保有
【プレスリリース/東京】2022年12月8日(木) – 世界をリードするアドバイザリー、ブローキング、ソリューションのグローバルカンパニーであるWTW(NASDAQ:WTW)のインベストメント部門は、世界トップ100のアセット・オーナーの調査レポートを発表しました。シンキング・アヘッド・インスティテュート(※WTWのインベストメント部門の関連組織)の新たな調査によると、世界トップ100のアセット・オーナーが運用する資産総額は25.7兆米ドルに達しました。
今年で5回目となる本調査では、世界トップ100のアセット・オーナーの資産総額は2021年末時点において9%増加したものの、前年の16%の伸び率からは鈍化していることが明らかとなっています。
年金基金は引き続き最大のアセット・オーナーとして世界トップ100のアセット・オーナーの資産総額の56%を占めているものの、こちらも前年の58%からは低下しています。それに対し政府系ファンド(SWF)はその比率が3分の1を優に超えた37%まで上昇し、前年の35%から上昇しています。
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は引き続き世界最大のアセット・オーナー(1.7兆米ドル)となっており、ノルウェー銀行インベストメント・マネジメント(NBIM;1.4兆米ドル)と中国投資有限責任公司(1.2兆米ドル)の世界最大級の政府系ファンド(SWF)の2社がつづきます。
トップ20のアセット・オーナーは総額で25.7兆米ドルを運用しており、トップ100の資産総額の過半数(55%)を占めます。個別のアセット・オーナーの順位は変動しているものの、こうした集中度合いは本調査の開始以降継続しています。
シンキング・アヘッド・インスティテュートの共同創設者であるロジャー・アーウィンは以下のように述べています。
「世界で最も影響力のある資本には非常に大きな責任が伴っており、その資産の拡大につれ説明責任も高まっています。この説明責任は受益者に対するものだけではなくその範囲が拡大しつつあるステークホルダーに対するものも含まれます。現在ではさまざまなステークホルダーがアセット・オーナーの今後の方向性を形作るようになってきています。社会的背景の変化、強い発言力を持つステークホルダーの出現、投資家が掲げる目標の多様化や変化など、より多くのステークホルダーが関与しており、ステークホルダー・マネジメントはアセット・オーナーにとっての優先順位が高まっています。」
ユニバーサル・オーナーは市場全体や経済全体の影響を受けるポートフォリオを保有し長期的な視点やリーダーシップを重視していることから、2050年までに二酸化炭素の排出量ゼロを実現しようとするパリ協定を遵守した将来に貢献する投資を行うことにより、実社会における構造的変化に寄与する絶好の機会となっている、と本調査は強調しています。
WTWのインベストメント部門の日本のリーダーである木村倫啓は次のように続けます。
「ランキングをみるとGPIFが引き続き最大規模ですが、アジア地域の他のアセット・オーナーの存在感も高まっており、トップ10の半数及びトップ50の約3割をアジア地域が占めています。規模の問題はありますが、相対的にみてアジアのアセット・オーナーのオルタナティブ投資の比率は他の地域よりも低めであり、更なる分散投資からの恩恵を受けられる可能性があります。彼らはユニバーサル・オーナーとして、自らが大きな存在感をもつ自国市場への影響の最小化・最良化を目指しながら、どのように資本をより良く配分するかの課題に取り組まねばなりません。その過程において、ユニバーサル・オーナーとしてESG考慮といった持続可能性を反映した投資はますます加速していくでしょう。」
ロジャー・アーウィンは次のように結論付けています。「ユニバーサル・オーナーにとって、経済全体の動向は個別企業やセクターのパフォーマンス以上に自身のポートフォリオの将来的価値を左右するものであるため、持続的成長に対しての投資を行うことで今後も金融システム全体を守っていくでしょう。そうしたことから、資産運用業界全体にわたりユニバーサル思考を推進していくうえでアセット・オーナーの行動は欠かせないものであり、それにより社会や環境に資する包括的アプローチが可能となります。」

