【プレスリリース / 東京】 2023年7月18日(火)— 世界をリードするアドバイザリー、ブローキング、ソリューションのグローバルカンパニーであるWTW(NASDAQ:WTW)が日本で実施した臨時調査によれば、直近昇給率2%未満の企業の約8割は来期も2%未満を見込み、直近昇給率4%以上であった企業の約5割は来期も3%以上を見込んでいるという結果となり、今期見られた「賃上げ格差」が来期にも継続する傾向がみられました。
《 日本における賃上げを含む報酬・処遇の動向調査:調査結果 》
調査結果 (1) 2023年の実績賃上げ率(回答企業全体)
調査結果 (1) 2023年の実績賃上げ率(回答企業全体)
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10 %ile |
25%ile |
50%ile (中央値) |
75%ile |
90%ile |
平均値 |
| 管理職 |
0.5% |
1.9% |
2.8% |
3.6% |
5.5% |
3.0% |
| 一般社員 |
1.8% |
2.5% |
3.2% |
4.6% |
6.3% |
3.8% |
調査結果 (2) 2024年の見込み賃上げ率(直近賃上げ率別)
《 コメント 》
WTW Work & Rewards 日本代表 マネージングディレクター 森田 純夫
WTW Work & Rewards部門 ディレクター 小川 直人
調査結果(1)のとおり、長らく2%前後の上昇にとどまっていた日本の従業員給与も2023年の昇給は一段高いものとなった。管理職で2.8%、一般社員で3.2%(いずれも中央値)と概ね3%前後の賃上げ率に達した。特に管理職よりも一般社員に重点的に配分される傾向がうかがえる。75,90パーセンタイルの数値からは、従前は考えられなかった、4%を上回るような大きな昇給に踏み込む企業が少なくないことがわかる。
いま、賃上げの議論は、今年のような勢いが持続するかに焦点が集まっている。本調査は、2023年の賃上げ率の高低が2024年にも持続する兆候を示している〔調査結果(2)〕。すなわち、直近の賃上げ率が高い企業は来期も高い賃上げを見込み、一方で賃上げ率を抑えた企業は来期も控えめな賃上げを見込んでいる。2023年の賃上げ率が4%以上であった企業群では、約5割が来期3%以上の賃上げを見込む一方で、2023年に賃上げ率2%未満であった企業群では、来期見通しを2%未満とする企業が約8割に達した。こうした動きが定着し、各社の報酬水準の格差が広がると、持続的に賃上げを実行する・できる企業では、優秀な人材の確保を通じ成長が持続する一方、実行しない・できない企業には人材が集まらず、低成長に甘んじる恐れがある。賃上げが企業の優勝劣敗の動きを加速する環境が目前に迫りつつある。
今年のような賃上げが持続するとしても、国際的にみれば、その上昇幅は先進国で依然下位にあり、国際的な報酬水準の位置づけの改善にはなかなかつながらない。役員報酬はこの10年で着実に上昇し、また若手社員については初任給や足元の賃金の引上げで重点的に手当てされているなか、特に管理職層が置き去りにされている傾向は否めない。ジョブ型人事制度の浸透もあり、管理職層の担う責任は以前よりも明確に定義され、厳しく選抜・評価されるようになっている。相応に報いられて然るべきといえるが、日本の管理職層の報酬は他の層にもまして国際的競争力に欠ける。各企業には、現場をリードするこの層の報酬の底上げにも配慮しつつ、収益性を維持しながらどのように持続的な賃上げを実現するか、その戦略の策定が求められよう。
WTW従業員報酬サーベイについて
世界110以上の国・地域で実施している報酬サーベイ。日本では経営者報酬データベースとあわせての参加で両サーベイを用いた横断分析もご提供(例:執行役員と従業員最高位の水準差分析 等)。構造的な賃上げや男女賃金格差への対応が日本におけるモメンタムとなる中で客観的な検証材料として活用いただけます。初回参加時は、丁寧なジョブマッチングにより貴社のデータ提出を強力に支援するとともに、質の高いデータを提供します。
詳細は従業員報酬サーベイをご覧ください。
WTWについて
WTW(NASDAQ:WTW)は、企業に対し、人材、リスク、資本の分野でデータと洞察主導のソリューションを提供しています。 世界140の国と市場においてサービスを提供しているグローバルな視点とローカルな専門知識を活用し、企業戦略の進展、組織のレジリエンス強化、従業員のモチベーション向上、パフォーマンスの最大化を支援します。
私たちはお客様と緊密に協力して、持続可能な成功への機会を見つけ出し、あなたを動かす視点を提供します。